何がしたいかわからない時に読み書きするもの

人生って何、自分は何がしたいんだっけ、あれ、仕事って何のためにするんだっけ、って思った時に読み書きする文章

COVID-19、コロナウィルスで死を想う

メメント・モリMemento mori”、という言葉を小学校の頃に習った。自分はいつか死ぬのだから、そのことを忘れるな、「死を想え」という意味のラテン語である。また、カルぺ・ディーエム”Carpe diem”というのは、「その日を摘め(楽しめ)」というラテン語で、その日その日を生きろ、というような意味に解釈できる。Covid-19のことがあってから、この2つの言葉が毎日、頭の中にある。

今、新型コロナウィルスCovid-19で、社会が混乱に陥っている。ちょうど10年ほど前、東日本大震災で日本が受けた混乱と、その速度は違うにせよ、似ていると感じる。思えばこの10年間、震災後、自分の身に迫った恐怖や、混乱というのは経験してこなかった。なんとなくのほほんとし、そして「自分の本当にやりたいことって何だっけ?」と悠長に、詩的に日々を過ごすことができていたような気がする。

今回、ウィルスから直接大きな影響がある、あるいは死ぬ可能性が高いわけではないけれど(特に私の年代では)、高齢者の方にとってのリスクが高いことや、あるいは感染の拡大が大きいことから、その混乱がじわじわとではあるが、直接的に迫ってきている。なんとなくのほほんと、生きる日々から離れてきている。毎日死を想い、一日一日生きることの大切さを改めて感じている。大げさかもしれないけれど、人間の生命の灯はいとも簡単に消えてしまうのだ、という生物の現実を見た気がする。

自分は今日、何がしたいのだろうか。自分は今日、何ができるのだろうか。自分はなぜ、今ここにいるのだろうか。なんとなく詩的に考えていた、つい1か月前よりも、より日々、今日はこれをしよう、今はあれをしよう、寧ろゆっくりと一日を過ごそう、といった具合に、身も心もアップデートした気持ちである。もっと直接的に、毎日に向き合っている、という感じだ。

Memento mori, Carpe diem. 死を想い、今日を楽しむのである。