何がしたいかわからない時に読み書きするもの

人生って何、自分は何がしたいんだっけ、あれ、仕事って何のためにするんだっけ、って思った時に読み書きする文章

サイードの思想を知り、自らが英国で感じたことを再考する

エドワード・サイードの思想を初めて読んだ。とても共感した。オリエンタリズムについての考察、西洋がアイデンティティを築く上で、逆にオリエンタリズムが作られたという考え方は、日本人として生きている中で、すごくわかりやすかった。また、彼があのバレンボエムとのコンサートを行ったということを知り、尚更より深く、知りたくなった。まだ、かいつまんだ程度なのだが、きちんと彼の「オリエンタリズム」を読んでみようと思う。

さて、彼の思想に触れて、私が思い出したのは、英国に(2週間との短期になってしまったが)留学したときの経験だ。英国はバイキングの歴史だし、やはり大英帝国として世界を支配してきた歴史があるからなのか、そういった西洋一強の雰囲気をまざまざと感じたのである。日本人だから、英語が下手だから、ということもあったのかもしれないが、クラスメートはほぼ全員欧米出身者(特に英米での生活が長い人)だったので、たった一人のアジア人として、非常に浮いた。Social Entrepreneurshipを謳うコースで、Political Philosophyの授業もあったが、まだ、クラスの中には、強い「差異へのこだわり」というようなものを感じたのである。

そんな中、私が最も心を開けたというか、曲がった視点をもたずに接することができた人がいる。それは、一人の教授であったが、彼は、人種や語学のうまいへたに関係なく、私を含むすべての人に対して深い傾聴の姿勢をとる人だった。学者、あるいは学者を超えて、人としてあのように誠実な態度ですべての人に接する人に初めて会ったので、とても刺激を受けた。今、色々な人に接する際に、彼のような姿勢をお手本にしているくらいである。フーコーも言っているように、エピステーメーが存在し、それは各時代や文化で異なる。そういったことを超えて、誠実にあたたかく全ての人に接するkとができる姿勢は、人のつながりを生み、あらゆる争いや隔たりを解決していくと思う。

自らが「異」となる環境に身をおきながら、自らがその「差異」を超えられるような姿勢でいる。そんな風に、生きたいと思う。