何がしたいかわからない時に読み書きするもの

人生って何、自分は何がしたいんだっけ、あれ、仕事って何のためにするんだっけ、って思った時に読み書きする文章

とことん自分に素直に生きる

今年の目標は、と耳にする機会が多い。
特に今年が始まったから、というわけではないのだけれど、一年の計は元旦にあり(もう元旦じゃないけど)、ということもあり、目標ではないのですが、大事にしたいスタイルを挙げたいと思います。

それは、とことん自分に素直、ということ。

昨年2017年もそのように生きてきた自負があるのですが、実は考えすぎると素直になるって難しくて、社会の中で共生して生きていると、自分に素直なことは実は自分勝手なだけじゃないかとか、果たしてこれが本当に素直なのか、とか、訳が分からなくなることがあります。結局必要とされることをやっていて、自分が素直にやりたいのかどうか、わからん、と考えたりすることもありました。

そうして今年はもっと、自分に素直ということを研ぎ澄ましていきたいと思っています。これは、岡本太郎の「危険な道を選ぶ」、というプリンシプルからもつながっているものです。自分にとって本当にやりたいことに加えて、「本当はやりたい、けど怖い」というような感覚のものに、もっと向き合う。とことん正直に素直にぶつかって生きてみたいなと思っています。

スマイルズの遠山さんの記事にも、似たような考えが書いてあり、嬉しくなりました。(私はSoup Stock Tokyoもネクタイブランドのgiraffeもすごく好きです)

2018年、ビジネスは「共感」から「素直」の時代へ スープストック創業者が描く次の一手

なんでそれをやるのか、やりたいからやるんだよ、というレベルでの答えが必要、不可欠になる時代が徐々にきていると感じています。お金になるから、子どものためだから、福祉のためだから、という社会のための言語化の枠を超えてさらに、なぜ自分がそれをやるのか、ということを改めて知覚、認識、具現化していく必要があると考えています。誰にも求められていないかもしれない、でも誰か他の人に迷惑をかけない、誰かを不幸にしない限りでの、自分がとにかくやりたいことを追究し、追求する。美の追求と同義かもしれません。そして本当は自分がやりたいことであればあるほど、公徳、公益とつながっているんだと私は考えています。

年末にゴッホの映画を見て、年始にゴッホの絵を見に行きました。元々、絵画の黄色とその生き様が大好きな人なのですが、年末年始でその世界を感じて、より好きになりました。奇人だったかもしれない、絵画を描いた年数は短かったかもしれない、絵を売ることはできなかったかもしれない。でもそれは時空を超えて、あまりにもまっすぐに我々に今生きる意味を問いかけてくれている。物体としては古くなっていても、新鮮にその絵画、街並み、人へのコミットメント、愛を伝えてくれる。鑑賞者がそう感じることを目的として彼は絵を描いていたわけではないと思います。ただ、自分がやりたいこと、描きたいこと、伝えたいものをやり続けていた。そして支えてくれる人がいた。そうした結果、時空を超え、予想もしなかった人々につながっているのだと思います。

冒頭にも述べているのですが、とことん自分に素直に、やりたいこと、というのはよくわからなくなってくるときもあります。そんな時、自分の中では一つの見分けるポイントを持っています。それは、誰かに話すときに、すっと言語化できているか、それから、いちいち誰かに言わずともやっているか、ということです。仕事で頑張っていることでやりがいもあることは、まぁすっと話せるんですけれども、話す相手によって深さが変わったり、あとは湧きあがるように話せなかったりもします。ただこれは絶対一生やりたいと思うこと(私の場合はコンテンポラリーダンス)については、知識も経験も浅くても、湧きあがるように、相手を問わずに話すことができるのです。これをパトス(降りかかるもの)と呼ぶのかな、とも思います。また、自分が素直にやりたいこと、というのは日々刻々と変化しているようで、実は小さなときからそんなに変わっていないのではないか、という気もしてきました。私の場合は幼稚園の頃からダンスや演劇が好きで、ずっと続けることはできませんでしたが、バトンやバレエや演劇、幼稚園のお遊戯会まで、今でも詳細に記憶の残っている場面が多いのはそんなことばかりです。いわゆる一生懸命やってきたことは全然別のことだったのですが・・・。時間を経るにつれて自分の美学を再発見しているような気もしています。

法外にせよ、法内にせよ(社会的に生きやすい物事にせよそうでないことにせよ)、常にとことん自分に素直に生きる。仕事を一生懸命やることが本当に自分にとって美しければ、素直にその美を追求する。何かの目標に向かうわけではなく、今の自分の美に素直に生きる。それを自分のプリンシプルにして生きていきたいと思います。